企業比較

オービック vs TIS

統合基幹業務システムで中堅・大企業の業務改革を支えるオービックと、金融・製造・公共の3領域を横断するIT総合サービス企業TIS。どちらもプライム上場のIT企業だが、「高利益率・少数精鋭のERP専業」と「独立系グループ経営の社会課題解決型IT企業」という事業構造が対照的。この比較では、事業モデル・組織文化・成長戦略の違いから、キャリア選びの判断材料を整理する。

オービック

売上高
1,212億円
従業員数
2,189名
平均年齢
35.9歳
平均年収
1,103万円

TIS

売上高
5,717億円
従業員数
21,765名
平均年齢
40.0歳
平均年収
807万円

目次

統合基幹業務システムで中堅・大企業の業務改革を支えるオービックと、金融・製造・公共の3領域を横断するIT総合サービス企業TIS。どちらもプライム上場のIT企業だが、「高利益率・少数精鋭のERP専業」と「独立系グループ経営の社会課題解決型IT企業」という事業構造が対照的。この比較では、事業モデル・組織文化・成長戦略の違いから、キャリア選びの判断材料を整理する。

3行でわかる違い

事業規模

オービックは売上1,212億円のシステムインテグレーション・システムサポート・クラウドセキュリティの3層構造で、経常利益率74.0%という圧倒的な収益性を持つ。TISは売上5,717億円で、オファリングサービス・BPM・金融IT・産業IT・広域ITソリューションの5セグメント体制。売上規模は約4.7倍の差があるが、オービックは従業員1,969名の少数精鋭で圧倒的な利益率を実現している。

組織文化

オービックは平均年齢35.9歳・平均勤続13.0年で、平均年収1,103万円・男性育休取得率96.8%・女性管理職比率12.8%。TISは平均年齢40歳7ヶ月・平均勤続14年6ヶ月(提出会社)で、平均年収807万円・男性育休取得率87.7%・女性管理職比率14.3%。どちらも人的資本の開示が充実しているが、オービックは報酬水準と若さ、TISはグループ全体の多様性が特徴。

3年後の方向

オービックはクラウド・セキュリティ強化とコンサルティング機能強化で「経営課題解決パートナー」への進化を目指す安定成長路線。TISは中計「Frontiers 2026」で売上6,200億円・営業利益810億円を目指し、社会課題解決型サービス(目標500億円以上)とASEAN売上1,000億円のグローバル展開を柱に据える。

こんな人はオービック

高い利益率の安定基盤で専門性を深めたい 経常利益率74.0%・自己資本比率86.7%という業界トップレベルの財務基盤を持ち、安定した環境の中でERP・基幹システムの専門性を長期的に磨ける。利益率の高さが平均年収1,103万円という報酬水準にも反映されている。

顧客の業務改革を上流から実装まで一気通貫で担いたい 中堅・大企業の業務プロセスをヒアリング・分析し、システム設計から導入・保守まで責任を持つ。同じ顧客との複数年関係により、製造業の原価管理や金融の規制対応といった業界特有のドメイン知識が深く蓄積できる。

コンサルティング領域へキャリアを広げたい コンサルティング機能の強化を中計テーマに掲げ、「何を作るか」を決める上流工程への参画比率を高めている。システム実装者からビジネスアナリスト・経営課題解決パートナーへのキャリアシフトの道が開けている。

少数精鋭の組織で自分の貢献が見えやすい環境を求めたい 従業員1,969名の組織で、一人ひとりの裁量と影響範囲が広い。男性育休取得率96.8%が示すように、制度が実際に機能している職場環境。

こんな人はTIS

社会課題解決型のITサービスを手がけたい グループビジョン2032で「社会に、多彩に、グローバルに」を掲げ、クレジットSaaS・GXサービスなど社会課題解決型の新規事業(目標500億円以上)を立ち上げている。従来のSI受託モデルから「社会インフラを支えるサービス事業者」への転換期にある。

独立系SIerの経営自由度を活かしたい 特定の親会社グループに依存しない独立系として、業界横断的な顧客基盤を持つ。連結子会社49社・持分法適用60社のグループ経営に関わる機会があり、事業戦略の自由度が高い環境。

ASEAN・グローバル展開に携わりたい 中計でASEAN売上1,000億円を目標に掲げ、インド・東南アジアでのIT事業展開を強化中。ジャカルタ市の交通決済パッケージなどの実績があり、国内SIerの中ではグローバル展開に積極的な環境。

金融IT・産業ITの両方に触れたい 金融IT(1,964名)と産業IT(3,817名)の両セグメントを持ち、異なる業界のシステム構築経験をキャリアの中で横断的に積める。DXコンサルタント510名体制(目標達成済み)でコンサル領域も拡大中。

キャリアで得られるもの

オービック

オービックでは、中堅・大企業の業務改革を「ヒアリング→分析→設計→開発→導入→保守」の全フェーズで経験できる。同じ顧客との複数年関係を通じて、製造業の原価管理や金融機関の規制対応といった業界特有のドメイン知識が深く蓄積される。

経常利益率74.0%の高収益構造のもと、クラウド・セキュリティやコンサルティング機能への投資が継続しており、従来の「システム実装者」から「経営課題解決パートナー」へのキャリアシフトの機会が広がっている。1,969名の少数精鋭組織で、顧客との信頼構築力やステークホルダー調整力が自然に鍛えられる。

TIS

TISでは、金融・製造・公共の3領域を横断するIT総合サービス企業として、多様な業界の経営課題に向き合う経験を積める。オファリングサービス(5,706名)やBPM(2,361名)など知識集約型の事業領域があり、DXコンサルティングから社会課題解決型のサービス開発まで幅広い業務に関われる。

中計「Frontiers 2026」のもと、クレジットSaaS・GXサービスなど新規事業の立ち上げ経験を積める環境がある。ASEAN事業(目標1,000億円)への参画を通じてグローバル経験も得られる。連結子会社49社のグループ経営の中で、インテック等の有力子会社との協業を通じて多様なプロジェクト経験を積むことができる。

数字で見る比較

指標 オービック TIS
売上高(会社の規模感) 1,212億円 5,717億円
営業利益率(付加価値の高さ) 64.6% 12.1%
営業利益成長率(利益の勢い)
従業員数(組織の大きさ) 2,189名 21,765名
平均年齢(組織の若さ) 35.9歳 40.0歳
平均勤続年数(人の入れ替わり) 13.0年 14.0年
平均年収(報酬水準) 1,103万円 807万円
売上成長率・YoY(会社の勢い)
男性育休取得率(働きやすさの一指標) 96.8% 87.7%
有給取得率 or 離職率(定着度)

売上規模はTISがオービックの約4.7倍だが、収益構造は根本的に異なる。オービックは経常利益率74%で、1,969名の少数精鋭から平均年収1,103万円を生み出す高付加価値モデル。TISは営業利益率12.1%で21,765名の組織を運営し、多角的な事業ポートフォリオで安定成長を実現する。売上成長率はどちらも+8%台で堅実な成長ペース。人的資本指標は両社とも開示が充実しており、オービックは男性育休96.8%・年収1,103万円が際立ち、TISは男性育休87.7%・女性管理職14.3%とダイバーシティ面で高い水準を示す。

事業と戦略の方向性

オービックの向かう先

統合基幹業務システムの開発・導入・保守を主軸に、売上1,212億円・経常利益率74.0%の高収益構造を維持する少数精鋭企業。DX投資が「実行段階」へ移行する中で、顧客の経営課題を解く高付加価値企業へのシフトを加速する。

中計の重点テーマ:

  • クラウド・セキュリティソリューション強化: オービッククラウドの機能拡張とセキュリティ統合を加速。顧客のクラウド移行をセキュリティとセットで支援
  • コンサルティング機能の強化: 経営課題分析・業務プロセス改革の提案機能を強化。上流工程への参画比率を引き上げ
  • 先端技術活用(AI・データ分析): 顧客企業のデータを活用した予測分析・意思決定支援ソリューションの開発

業績の勢い

FY2025は売上高1,212億円、経常利益897億円(同+10.6%)で安定成長を継続。利益成長が売上成長を上回り、付加価値向上が着実に進行。営業キャッシュフロー627億円の創出力と自己資本比率86.7%の財務基盤を維持。

TISの向かう先

連結子会社49社・持分法適用60社の独立系IT総合サービス企業として、売上5,717億円・営業利益705億円の安定した収益基盤を持つ。中計「Frontiers 2026」では「フロンティア開拓」を基本方針に掲げ、既存顧客への高付加価値提供と社会課題解決型の新規事業を両輪で推進。

中計の重点テーマ:

  • DX価値向上: DXコンサルタント510名体制(目標達成済み)でエンタープライズ向けDXコンサルを強化
  • 次の強みへの投資: クレジットSaaS・GXサービスなど社会課題解決型の新規事業を立ち上げ(目標500億円以上)
  • グローバル展開: ASEAN売上1,000億円を目標に、インド・東南アジアでのIT事業を拡大
  • サステナビリティシフト: 役割ベースの報酬体系への転換とエンゲージメント・顧客満足を重視

業績の勢い

FY2025年度は売上5,717億円・営業利益705億円を達成。FY2026年度ガイダンスは売上6,200億円(+8.5%)・営業利益810億円で、営業利益率を12.1%→13.1%に改善する計画。産業IT(デジタルサプライチェーン)が成長の牽引役。

新卒なら / 中途なら

新卒なら

オービックは1,969名の少数精鋭組織で、平均年齢35.9歳と若い環境。早期から顧客の業務改革プロジェクトに携わり、ERP・基幹システムの深い専門性を築ける。TISは21,765名の独立系グループで、金融IT・産業IT・オファリングサービスなど5セグメントの多様な配属先があり、DXコンサルタント育成も強化中。「少数精鋭で高利益率企業の深い専門性を早くから築きたいか」「独立系の大型グループで多様な業界・事業領域に触れたいか」が選択の軸になる。

確認のポイント:オービックなら「コンサルティング機能強化に伴う新卒の役割の変化」「AI・データ分析ソリューションのプロジェクトに新卒がどう関わるか」、TISなら「グループ会社(インテック等)への出向機会」「DXコンサルタントへの育成パス」を面接で聞きたい。

中途なら

オービックはコンサルティング機能強化に伴い、ビジネスアナリストや経営コンサル経験者、クラウド・セキュリティのスキル保有者を求めている。高利益率の安定環境で、報酬水準1,103万円を背景に長期的な専門性深掘りができる。TISは社会課題解決型サービスの立ち上げ経験者や、ASEAN事業を含むグローバル展開の経験者、金融・製造の業界特化型コンサルタントを求めている。「高収益環境でニッチ深掘りの専門性を活かすか」「独立系の経営自由度で社会課題解決型の新規事業を手がけるか」が判断のポイント。

確認のポイント:オービックなら「コンサルティング案件の売上比率の推移」「クラウド・セキュリティ領域の具体的なプロジェクト内容」、TISなら「ASEAN事業への異動条件」「新規事業(クレジットSaaS・GX)のチーム構成と今後の採用計画」を確認したい。

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